肌のハリが無くなる原因は?
お肌のハリが無くなる直接の原因は、
主に
- 真皮の衰え
- 皮下組織の衰え
- 表情筋の衰え
以上のことが起こると、肌のハリが無くなるのです。
①真皮の衰え
真皮の活力の源は、線維芽細胞です。
線維芽細胞が衰えると、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、
プロテオグリカンをつくる能力が衰えます。
そうすると、真皮内のコラーゲンやエラスチンの量が減ってしまいます。
また、加齢などでコラーゲンやエラスチン自身も衰えます。
これが、お肌のハリが無くなる大きな原因です。
②皮下脂肪の衰え
皮膚の1つ奥の、皮下組織の衰えは、主に皮下脂肪の衰えによるものです。
皮下脂肪が衰えてたるむ原因は、「脂肪を包むネットのたるみ」と
「脂肪線維のたるみ」の2つがあります。
脂肪を包むネットのたるみは、エイジングで
皮下脂肪を包むネットが弾力を失うことが原因です。
一方、脂肪線維のたるみは、脂肪が肥大化するなどで
線維組織がその重みに耐えきれなくなって起こります。
また、顔のむくみも皮下脂肪を下げる原因になるので、
肌のハリが無くなる原因の1つでこれらに理由で皮下脂肪が衰えると、
お肌のたるみやハリ低下の原因になるのです。
③表情筋の衰え
年をとると、表情筋も衰えます。
また、筋肉を包む筋膜には、リンパ管が流れていますが、
表情筋の衰えでリンパの流れが悪化します。
その結果、老廃物が溜まりやすくなって、むくみが起こることもあります。
そうした状態が続けば、表情筋が真皮や皮下脂肪を支えきれなくなります。
その結果、たるみが起こって、お肌のハリが低下するのです。
お肌のハリ不足をもたらす要素は?
真皮、皮下組織、表情筋の衰えは、加齢が大きな原因ですが、
加齢以外にも、お肌のハリがなくなってしまう要素はたくさんあります。
そんな要素をリストアップします。
①紫外線のダメージ
加齢よりも肌のハリの低下の影響が大きいのが紫外線のダメージです。
紫外線A波は、真皮にまで届いて線維芽細胞やコラーゲン、
エラスチンに大きなダメージを与え、お肌に老化をもたらします。
これを光老化と呼びますが、ハリを無くす大きな原因です。
また、紫外線を浴びるとお肌で過剰に活性酸素が発生します。
その結果、お肌が酸化することで、コラーゲン線維や
エラスチン線維が酸化自分自身して、変性してまったり、線維芽細胞が死滅するのです。
こうしてお肌のハリが無くなることで、深いしわやほうれい線の原因になってしまうのです。
紫外線による活性酸素は、カルボニル化の原因になることもあります。
カルボニル化とは、酸化した脂質の分解物である
アルデヒドがコラーゲンなどのタンパク質と結合することです。
その結果、ALEs(Advanced Lipoxidation Endproducts=最終脂質過酸化産物)を生み出すのです。
カルボニル化は、肌のくすみの1種である黄ぐすみの原因の1つです。
もちろん、黄ぐすみもお肌のハリを奪う原因の1つです。
②活性酸素
紫外線以外でも過剰な活性酸素が発生する原因があります。
ストレス、喫煙、激しい運動、化学物質、過度な飲酒なども活性酸素の原因です。
自分自身にもダメ―ジを与えるのです。
活性酸素によるお肌の酸化もハリが減少する原因なのです。
③お肌の乾燥
お肌の乾燥は、ありとあらゆる肌悩みと関係していますが、
やはり、肌のハリとも関係があります。
お肌が乾燥して、角質層のバリア機能が低下すれば、異物が侵入しやすくなりますし、
また、紫外線ダメージを受けやすくなります。
本来、活性酸素は、細菌など外部から侵入する異物を退治するはたらきがあり、
一定量は必要です。
しかし、過度に発生すると
乾燥肌は表皮にダメージを与えますが、その状態が続けば、真皮まで悪影響を受けるのです。
だから、乾燥肌の原因である大気の乾燥、大気汚染、花粉、
女性ホルモンのバランスの乱れや減少、よくないライフスタイル、
皮膚病などの病気、間違ったスキンケアや化粧品の使い方などもお肌のハリ低下の間接的な原因になるのです。
④女性ホルモンの減少
エストロゲンには、コラーゲンの生成を促す作用がありますが、
年齢とともにエストロゲンは減少します。
特に、女性の場合は、更年期を経て閉経を迎える時期からは、
女性ホルモンが激減します。
エストロゲンはコラーゲンの産生を促進しますから、
その減少は真皮の衰えの原因となります。
その結果、お肌のハリが低下してしまうのです
⑤顔冷えや冷え性
顔冷えとは、気温の低下などによって顔の血管が収縮して血行が悪くなることで
顔のお肌の体温が下がって、「顔が冷たい」と感じる状態です。
血液のめぐりが滞ると、酸素や栄養分が十分にお肌の細胞に届かなくなります。
これが真皮にも悪影響を与えて、肌のハリ低下の原因になるのです。
また、身体全体の冷えである冷え性も肌のハリの低下の原因の1つです。
⑥バランスのよくない生活習慣
偏った食生活、乱れた食習慣、睡眠不足や過労など、
ストレスの多い生活習慣も肌のハリが無くなる原因の1つです。
特に、糖分の取り過ぎは、糖とたんぱく質が結びついて、
AGEs(終末糖化生成物)をつくる糖化の原因となります。
その結果、お肌のたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。
肌の糖化は、カルボニル化と同じく、くすみの中の黄ぐすみの原因の1つです。
⑦喫煙
喫煙は活性酸素を発生させることはもちろん、
その煙にはさまざまな有害物質が含まれています。
また、ビタミンCを破壊するので、コラーゲンの生成が減ってしまいます。
タバコを長い期間吸っている方の特徴的な顔を
「スモーカーズフェイス」と呼びますが、明らかに肌にハリもツヤもありません。
⑧過度なダイエット
過度なダイエットや急激なダイエットは、たんぱく質が急激に減るリスクがあり、
顔のたるみの原因にもなって、ハリの低下をもたらすのです。
急激なダイエットはほうれい線の原因になることもよく知られています。
⑨誤ったスキンケア
誤ったスキンケアもお肌のハリが無くなる原因の1つです。
多いのが、スキンケアのしなさすぎではなく、かまいすぎややりすぎのスキンケアです。
お肌は、年齢による衰えはあっても、今、説明してきたような
ハリ低下の原因を避けていれば、過剰なスキンケアは不要で、むしろマイナスになります。
例えば、洗顔の回数が多すぎたり、クレンジングや洗顔に時間をかけすぎる、
化粧品を使いすぎる、なども刺激や摩擦が大きくなって、お肌を傷める原因になることがあるのです。
年齢や肌質、肌状態に応じたスキンケアやエイジングケアを行わないと、
かえって肌のハリは減ってしまうのです。
⑩猫背もハリ低下の原因
姿勢が悪いと肩のコリや筋肉のコリができて、骨格にも悪影響を与えます。
特に、猫背のような姿勢が続くと背筋が衰えます。
顔の筋肉は背筋に支えていますから、背筋の衰えは顔のたるみの原因となって、
肌のハリ低下をもたらすのです。
気を付けたい部分はここ!
お肌のハリで特に気を付けたい顔の部分は、目元や口元。
なぜなら、目元や口元は皮膚が薄いため外部の刺激を受けやすく、乾燥しやすいのです。
だから、真皮もダメージを受けやすいのです。
顔の中でも、目元や口元は、特に意識してスキンケアやエイジングケアが必要です。
肌のハリが無くなる前に、口元や目元には乾燥による小じわやちりめんじわが目立ちます。
これを放置すれば、たるみにつながるので早くケアしましょう。