肌のハリ弾力がなくなる原因

肌のハリ弾力がなくなる原因や取り戻す方法などをご紹介します。

肌のハリとは

1)お肌のハリって?

お肌に関する言葉は、たくさんありますが、中でもよく使われるのが「ハリのあるお肌」。

また、ハリとツヤは、セットで使われることがあります。
このハリやツヤのあるお肌とは、どんなお肌でしょうか?

①ハリのあるお肌とは?

ハリがなくなると、

  • ほうれい線が目立ち始める
  • 目元や首に小じわが目立ち始める
  • フェイスラインがすっきりしない

などが起こります。

では、逆にハリのあるお肌とはどんなお肌でしょうか。

お肌が自然にリフトアップされ、重力に負けないで「ピーン」と張った状態のお肌、
見た目も弾力に富んで、顔のたるみのないお肌が「ハリのあるお肌」です。

そんな肌のハリは、引っ張ったときの強度と押したときの戻りで、ある程度感触がつかめます。

一度、自分でお肌を押してみて今の「ハリの状態」をつかんでみてください。
自宅では数値として測定することはできませんが、何となくハリのある、なしの感覚はつかめますね。

そんなお肌のハリは、真皮と深い関係があり、皮下組織や表情筋も影響を与えているのです。

②お肌のツヤとハリの関係は?

一方、「お肌のツヤ」は、お肌の透明感や明るさ、
整った肌理(キメ)によるお肌の細かさと光の反射によってもたらされます。

だから、主に表皮の肌状態が影響を与えます。
肌質も関係しますが、ターンオーバーとバリア機能が正常であれば
ツヤのあるお肌を手に入れることができるのです。

ここで大切なことは、いくらお肌にハリがあっても、
表皮の状態が悪くツヤがなければ、お肌はハリがあるように見えないことです。

逆にツヤもお肌の土台である真皮が老化して衰えれば、なくなっていくのです。

だから、ハリとツヤは一緒に語られることが多いのです。

このように、ハリのあるお肌を目指すには、
同時にツヤのことも考える必要があるのです。

つまり、スキンケアやエイジングケアは、基礎化粧品でカバーが可能な表皮だけでなく、
真皮も意識することが大切なのです。

③失ったハリを取り戻すのは、大変

10代や20代では当たり前にようにハリがあったので気にしない方も多いでしょう。
しかし、30代、40代、50代と年代を重ねれば、誰でも肌のハリは減ってしまいます。

さて、肌のハリについて、気を付けて頂きたいポイントを先にお伝えします。

ハリは、真皮が深く関わっているとお話しましたが、
真皮が生まれ変わる期間は、3年とも5年とも言われています。

だから、一旦、ハリが失われると取り戻すのに時間がかかります。
また、その間にもエイジングが進み、お肌の老化も進みます。

だから、お肌のハリは、十分にキープできている間から、
予防的なケアをすることが大切なのです。

一方、ツヤは表皮の影響が大きいので、
ハリに比べると復活しやすいのです。

表皮の細胞の新陳代謝は早く、20代であれば28日
それ以降だんだん長くなりますが、それでも2~3か月です。
これが、ターンオーバーです。

「ハリがあるお肌」なのに、ツヤがないためハリもなさそうに見える場合、
表皮の角質層をしっかりケアすればハリが戻ったように実感することがあります。

この場合は、本当にハリが失われているわけではないのです。

しかし、肌のたるみでハリがなくなっているなら、
エイジングケア化粧品を使っても、ハリを取り戻すことは難しいのです。

つまり、お肌の弾力やハリはなくなってしまえば、
元に戻すことが難しいので、若い時代からの予防がとても大切なのです。

2)お肌にハリをもたらす要素は?

お肌のハリの源は、「弾力」ですから何が弾力をもたらしているかを考えることが
お肌にハリをもたらす要素を考えることです。

目に見えているのは、お肌の表皮の角質層ですが、たったの0.02mm。
また、表皮すべてでも0.2mmです。

表皮は、ハリをもたらす要素としての影響は大きくありません。


ハリをもたらしているのは、表皮の奥にある3つの層
「真皮」「皮下組織」「表情筋」の3つです。

それぞれがお肌のハリを保つ上で大切な役割をしていますが、
中でも真皮は、表皮の土台となってしっかり支えているのです。

だから、真皮が元気でイキイキとした状態は、お肌のハリのある状態です。

真皮の中で、ハリに直接影響を与える大きな要素は、
線維芽細胞と間質成分、そして栄養を届ける毛細血管です。

線維芽細胞は、間質成分であるコラーゲン、エラスチン、
ヒアルロン酸、プロテオグリカンを作り出す細胞です。

コラーゲンは、真皮の70%を占めるお肌のハリに最も影響を与える
「膠原線維(こうげんせんい)」と呼ばれるたんぱく質です。

3重のらせん構造で真皮の中を網目状に巡らされている
伸縮性が少ない強靭な線維です。

お肌のハリにはある程度のお肌の強さが必要ですが、
それをもたらしているのがコラーゲンです。

一方、エラスチンは真皮の2~3%しかありませんが、
コラーゲンより柔らかい弾力のあるたんぱく質です。

エラスチンは、その性質から「弾性線維」と呼ばれます。
エラスチンは、コラーゲンをしっかりつなぎとめるはたらきもあります。


ヒアルロン酸やプロテオグリカンは、糖やタンパクを含むゲル状の無定型物質で、
細胞外マトリクスとも呼ばれています。

この2つは、水分を保持することで柔らかな潤いのあるお肌を保つとともに、
コラーゲンやエラスチンと結びついて線維組織を安定させているのです。

若々しくて健やかなお肌では、真皮の中で絶妙なハーモニーがはたらき、
お肌に弾力・ハリをもたらしているのです。

そんな真皮に栄養を送り届けるはたらきを果たしているのが血管です。

血管が健康で、しっかりと栄養素が真皮に届けば、
線維芽細胞をはじめ真皮の組織も元気になって、ハリのあるお肌がキープできます。

このようにハリのあるお肌は、真皮で細胞と間質、
そして血管などが健やかな状態でコラボレーションすることでもたらされているのです。

そして、この真皮をさらの身体の奥から支えているのが皮下組織と表情筋です。

皮下組織は、殆どが皮下脂肪で外部からの刺激や衝撃をやわらげ、
身体の内部を守るクッションの役割を果たしています。
また、熱を伝えにくいので、断熱・保温のはたらきもあります。

表情筋は、その名の通り顔の表情を生み出す筋肉で、皮膚に直接つながっています。
だから、表情筋が直接、顔表面のお肌を動かすことができるのです。
表情筋は、30種類以上もあって、相互に関係しあうことで豊かな表情を生み出すことができます。

皮下組織と表情筋が若々しい状態であれば、
皮膚の土台である真皮をしっかり支えることができるので、
ハリのあるお肌をキープできるのです。

人の身体やお肌は、全てつながっています。
また、一緒に老化してしまいます。

だから、肌のハリの低下が起こるのは、たった1つの原因というより、
真皮、皮下組織、表情筋がいずれも老化した場合に多いのです。

肌のハリが無くなる原因は?

お肌のハリが無くなる直接の原因は、
主に

 

  • 真皮の衰え
  • 皮下組織の衰え
  • 表情筋の衰え

以上のことが起こると、肌のハリが無くなるのです。


①真皮の衰え

真皮の活力の源は、線維芽細胞です。

線維芽細胞が衰えると、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸
プロテオグリカンをつくる能力が衰えます。

そうすると、真皮内のコラーゲンやエラスチンの量が減ってしまいます。

また、加齢などでコラーゲンやエラスチン自身も衰えます。

これが、お肌のハリが無くなる大きな原因です。


②皮下脂肪の衰え

皮膚の1つ奥の、皮下組織の衰えは、主に皮下脂肪の衰えによるものです。

皮下脂肪が衰えてたるむ原因は、「脂肪を包むネットのたるみ」と
「脂肪線維のたるみ」の2つがあります。


脂肪を包むネットのたるみは、エイジングで
皮下脂肪を包むネットが弾力を失うことが原因です。

一方、脂肪線維のたるみは、脂肪が肥大化するなどで
線維組織がその重みに耐えきれなくなって起こります。

また、顔のむくみも皮下脂肪を下げる原因になるので、
肌のハリが無くなる原因の1つでこれらに理由で皮下脂肪が衰えると、
お肌のたるみやハリ低下の原因になるのです。


③表情筋の衰え

年をとると、表情筋も衰えます。

また、筋肉を包む筋膜には、リンパ管が流れていますが、
表情筋の衰えでリンパの流れが悪化します。

その結果、老廃物が溜まりやすくなって、むくみが起こることもあります。

そうした状態が続けば、表情筋が真皮や皮下脂肪を支えきれなくなります。
その結果、たるみが起こって、お肌のハリが低下するのです。


お肌のハリ不足をもたらす要素は?

真皮、皮下組織、表情筋の衰えは、加齢が大きな原因ですが、
加齢以外にも、お肌のハリがなくなってしまう要素はたくさんあります。

そんな要素をリストアップします。


①紫外線のダメージ

加齢よりも肌のハリの低下の影響が大きいのが紫外線のダメージです。

紫外線A波は、真皮にまで届いて線維芽細胞やコラーゲン、
エラスチンに大きなダメージを与え、お肌に老化をもたらします。

これを光老化と呼びますが、ハリを無くす大きな原因です。

また、紫外線を浴びるとお肌で過剰に活性酸素が発生します。

その結果、お肌が酸化することで、コラーゲン線維や
エラスチン線維が酸化自分自身して、変性してまったり、線維芽細胞が死滅するのです。

こうしてお肌のハリが無くなることで、深いしわやほうれい線の原因になってしまうのです。


紫外線による活性酸素は、カルボニル化の原因になることもあります。

カルボニル化とは、酸化した脂質の分解物である
アルデヒドがコラーゲンなどのタンパク質と結合することです。

その結果、ALEs(Advanced Lipoxidation Endproducts=最終脂質過酸化産物)を生み出すのです。

カルボニル化は、肌のくすみの1種である黄ぐすみの原因の1つです。

もちろん、黄ぐすみもお肌のハリを奪う原因の1つです。


活性酸素

紫外線以外でも過剰な活性酸素が発生する原因があります。

ストレス、喫煙、激しい運動、化学物質、過度な飲酒なども活性酸素の原因です。
自分自身にもダメ―ジを与えるのです。

活性酸素によるお肌の酸化もハリが減少する原因なのです。

③お肌の乾燥

お肌の乾燥は、ありとあらゆる肌悩みと関係していますが、
やはり、肌のハリとも関係があります。

お肌が乾燥して、角質層のバリア機能が低下すれば、異物が侵入しやすくなりますし、
また、紫外線ダメージを受けやすくなります。

 

本来、活性酸素は、細菌など外部から侵入する異物を退治するはたらきがあり、
定量は必要です。

しかし、過度に発生すると
乾燥肌は表皮にダメージを与えますが、その状態が続けば、真皮まで悪影響を受けるのです。

だから、乾燥肌の原因である大気の乾燥、大気汚染、花粉、
女性ホルモンのバランスの乱れや減少、よくないライフスタイル、
皮膚病などの病気、間違ったスキンケアや化粧品の使い方などもお肌のハリ低下の間接的な原因になるのです。


④女性ホルモンの減少

女性ホルモンには、エストロゲンプロゲステロンがあります。

エストロゲンには、コラーゲンの生成を促す作用がありますが、
年齢とともにエストロゲンは減少します。

特に、女性の場合は、更年期を経て閉経を迎える時期からは、
女性ホルモンが激減します。

エストロゲンはコラーゲンの産生を促進しますから、
その減少は真皮の衰えの原因となります。

その結果、お肌のハリが低下してしまうのです

⑤顔冷えや冷え性

顔冷えとは、気温の低下などによって顔の血管が収縮して血行が悪くなることで
顔のお肌の体温が下がって、「顔が冷たい」と感じる状態です。

血液のめぐりが滞ると、酸素や栄養分が十分にお肌の細胞に届かなくなります。
これが真皮にも悪影響を与えて、肌のハリ低下の原因になるのです。

また、身体全体の冷えである冷え性も肌のハリの低下の原因の1つです。

⑥バランスのよくない生活習慣

偏った食生活、乱れた食習慣、睡眠不足や過労など、
ストレスの多い生活習慣も肌のハリが無くなる原因の1つです。

特に、糖分の取り過ぎは、糖とたんぱく質が結びついて、
AGEs(終末糖化生成物)をつくる糖化の原因となります。

その結果、お肌のたんぱく質であるコラーゲンやエラスチンを変性させてしまいます。

肌の糖化は、カルボニル化と同じく、くすみの中の黄ぐすみの原因の1つです。

⑦喫煙

喫煙は活性酸素を発生させることはもちろん、
その煙にはさまざまな有害物質が含まれています。

また、ビタミンCを破壊するので、コラーゲンの生成が減ってしまいます。

タバコを長い期間吸っている方の特徴的な顔を
「スモーカーズフェイス」と呼びますが、明らかに肌にハリもツヤもありません。


⑧過度なダイエット

過度なダイエットや急激なダイエットは、たんぱく質が急激に減るリスクがあり、
顔のたるみの原因にもなって、ハリの低下をもたらすのです。

急激なダイエットはほうれい線の原因になることもよく知られています。

 

⑨誤ったスキンケア

誤ったスキンケアもお肌のハリが無くなる原因の1つです。
多いのが、スキンケアのしなさすぎではなく、かまいすぎややりすぎのスキンケアです。

お肌は、年齢による衰えはあっても、今、説明してきたような
ハリ低下の原因を避けていれば、過剰なスキンケアは不要で、むしろマイナスになります。

例えば、洗顔の回数が多すぎたり、クレンジングや洗顔に時間をかけすぎる、
化粧品を使いすぎる、なども刺激や摩擦が大きくなって、お肌を傷める原因になることがあるのです。

年齢や肌質、肌状態に応じたスキンケアやエイジングケアを行わないと、
かえって肌のハリは減ってしまうのです。

⑩猫背もハリ低下の原因

姿勢が悪いと肩のコリや筋肉のコリができて、骨格にも悪影響を与えます。

特に、猫背のような姿勢が続くと背筋が衰えます。

顔の筋肉は背筋に支えていますから、背筋の衰えは顔のたるみの原因となって、
肌のハリ低下をもたらすのです。


気を付けたい部分はここ!

お肌のハリで特に気を付けたい顔の部分は、目元や口元。
なぜなら、目元や口元は皮膚が薄いため外部の刺激を受けやすく、乾燥しやすいのです。

だから、真皮もダメージを受けやすいのです。
顔の中でも、目元や口元は、特に意識してスキンケアやエイジングケアが必要です。

肌のハリが無くなる前に、口元や目元には乾燥による小じわやちりめんじわが目立ちます。
これを放置すれば、たるみにつながるので早くケアしましょう。

 

肌のハリをキープするエイジングケアとは?

次は、スキンケアアイテムやエイジングケア化粧品を使って、
お肌のハリをキープする方法をご紹介します。

その基本は、何といっても清潔、紫外線対策、保湿です!!

これは、スキンケアやエイジングケアの【3大基本対策】です。

しかし、この3つは肌のハリをキープしたり、肌のハリの低下を予防するには効果的ですが、
お肌のたるみを改善する効果は期待できません・・・。

だから、「エイジングケアはいつから始めるの?」と迷ったときは、
まだ、ハリが十分あっても始めるべきなのです。


1)清潔を保つためのクレンジングや洗顔

肌のハリを保ち、低下の原因をつくらない第一歩は、
お肌を清潔に保つこと、つまり、正しい洗顔やクレンジングです。

クレンジングや洗顔と肌のハリには、2つの要素があります。

1つは、皮脂やメイクを放置したり、しっかり洗い流さないと酸化して
過酸化脂質になってしまうからです。

これが、お肌に残ったままだと、お肌の老化を進め、
ハリを失うことになります。

もう1つは、擦り過ぎや流し過ぎ、強い洗顔料やクレンジング料を使うと、
お肌のバリア機能にダメージを与え、乾燥しやすくなるのです。


だから、クレンジングや洗顔では、不要な汚れ、皮
脂、メイクは洗い流しながらも、保湿に必要なお肌の成分であるNMF(天然保湿因子)や
セラミドを流さないバランスのよい洗い方が大切なのです。

また、加齢とともに洗顔料やクレンジング料は、
刺激の少ない優しいものへと切り替えることもハリをキープする対策の1つです。

なぜなら、お肌の角質は厚くなっても、真皮は薄くなっていくので、
できるだけお肌へのダメージを避けるための工夫が必要だからです。

 

2)紫外線対策

肌のハリをキープして減らさないための対策として、
紫外線を避けることの重要性を先ほどもお話しました。

春や夏だけではなく、紫外線対策は冬も行うことが大切です。

また、日焼け止め以外でも、衣類などのファッションでも紫外線対策を行いましょう。
さらには、紫外線を浴びた後のアフターケアも大切です。

 

3)スキンケア化粧品で保湿

肌のハリをキープするために基礎化粧品や
エイジングケア化粧品にできる最も大切なことは、保湿です。


だから、スキンケアによる保湿とは何かを理解した上で、
年齢や肌質、肌状態に合わせて自分に合ったエイジングケア化粧品などを選び、
乾燥肌の予防や改善を行うことで、肌のハリの低下の予防につながるのです。


「水分を与える」は「水」なので、主に化粧水が得意なプロセスです。


「水分を保持する」のは、美容液が得意でセラミド、プロテオグリカン、
ヒアルロン酸、コラーゲンなどがよく配合される保湿成分です。

もちろん、化粧水にもこれらの保湿成分が配合されるのですが、
美容液の方が凝縮されて高い配合濃度の場合が多いのです。

そして、「水分の蒸発を防ぐ」のが、シアバターやスクワラン、
アルガンオイルなどの美容オイルです。


いずれも大切なので、肌のハリをキープするためには、
保湿の3つのプロセスを大切にしましょう。

 

4)肌のハリを保つ保湿化粧品の選び方

肌のハリをキープする化粧品には、資生堂やコーセーなどの
大手にもたくさんのブランドがあります。

また、アスタリフトオルビスユー、ファンケルアテニア
ジェイドブラン、アヤナスなどのブランドがよく知られています。

最近では、無印良品、韓国コスメなどプチプラコスメも登場しています。


そんなたくさんある化粧品の中で、肌のハリを保つための
保湿化粧品はどのように選べばよいでしょうか?

それは、成分をしっかり理解して選ぶこと。

オススメは、セラミド化粧品

なぜなら、セラミドは肌のバリア機能をサポートするとともに、
水分を挟み込んで保持してくれるので乾燥肌の強い味方だから。

中でも、ヒト型セラミドが特にオススメです。

ヒト型セラミドは、角質層にあるセラミドと同じ構造なので、
そのはたらきも人のセラミドに近いのです。

また、インナードライ肌や敏感肌の方は、
保湿化粧品を選ぶ場合も気を付ける必要があります。


5)肌のハリを保つプラスアルファのエイジングケア

保湿成分に加えて機能性の高いエイジングケア化粧品成分の配合された
エイジングケア化粧品を使うことで、プラスアルファのハリのケアが期待できます。

最近では、化粧品成分の開発は進化して、コラーゲンや
エラスチンの産生を増やす成分や高い抗酸化作用を持つ成分が増えています。


もちろん、化粧品なので真皮まで成分が届くことは期待できませんし、
医薬品のような効果は期待できません。

だから、「ハリが甦る」「ハリの低下が改善する」とまでは言えません。
それでも、ハリをキープするためのプラスアルファのエイジングケアが可能です。

そんなコラーゲンやエラスチンをサポートする成分が、
ナールスゲンやネオダーミルです。

また、比較的よく知られている成分としては、
ビタミンC誘導体やビタミンA誘導体(レチノールやレチノイン酸トコフェリル)も
コラーゲンを増やす作用のある成分です。

抗酸化作用のある成分としては、ビタミンE誘導体、
アスタキサンチンフラーレンコエンザイムQ10などが有名です。

6)フェイスマッサージで肌のハリをキープ

フェイスラインのたるみは、皮膚や皮下脂肪が重力に負けて
垂れ下がってしまうことで起こり、肌のハリ不足を招きます。


その原因となる血行の悪化や老廃物の滞留によるむくみを解消するために、
血行やリンパの流れを改善するフェイスマッサージを
習慣化することも肌のハリをキープするにはよい方法です。

マッサージクリームやフェイスクリームを使って、
肌に摩擦の少ない状態で優しく行いましょう。

1回あたりの時間を長くするのではなく、3~5分程度にして、
【毎日習慣】にすることが効果的です。

肌のハリをキープする日常生活とは?

日常生活で肌のハリをキープする方法、
ハリの低下を予防する方法です。

1.食べ物でハリをキープ

肌にハリをもたらす栄養素としては、ビタミンAやビタミンC、
ミネラルなどのコラーゲンを増やす栄養素を意識しましょう。

また、ポリフェノールをはじめとする抗酸化成分や鉄分や亜鉛
他ではイソフラボンパントテン酸なども肌のハリを保つのをサポートする成分です。

コラーゲンやエラスチンはたんぱく質なので、
肉や魚などをバランスよく摂れば、特にサプリメントを摂る必要はありません。

ただし、食生活が不規則であったり、たんぱく質が不十分だと感じる場合は、
アミノ酸やコラーゲンなどを含むサプリメントもよい選択肢です。

<ハリに効果的なビタミンなどを含む食べ物・飲み物>

ビタミンA・・・レバー、うなぎ、ホタルイカ、モロヘイヤなど
ビタミンE・・・ナッツ類、あん肝、イクラ、すじこ、ナタネ油などの植物油など
ビタミンC・・・赤ピーマン、黄ピーマン、ブロッコリー、レモン、キウイ、イチゴなど
パントテン酸・・・レバー、卵黄、鶏の心臓、
ビタミンU・・・キャベツ、レタス、パセリ、アスパラガス、ブリッコリー、セロリなど
イソフラボン・・・大豆製品(納豆・豆乳)、プルーン、山芋など
亜鉛・・・かき、からすみ、たにし、わたりがに、豚レバー、牛赤身肉など
銅・・・レバー、フォアグラ、干しエビ、しゃこ、いか、ごまなど、


女性ホルモンと関係の深いイソフラボンと、
パントテン酸について少し詳しく取り上げます。

イソフラボン

イソフラボンは大豆や大豆食品に多く含まれる成分で
女性ホルモンであるエストロゲンに似た作用があります。

イソフラボンを補うことで、コラーゲンの生成が期待できるので
ハリの低下予防に役立ちます。

また、加齢によって女性ホルモンが減少することで
起こる症状の緩和や予防に役立ちます。


パントテン酸

パントテン酸は、5番目に見つかったビタミンBで、ビタミンB5のことです。
しかし、この呼び名はあまり使われません。

パントテン酸は、肉や魚などの動物性食品にも、
野菜などの植物性食品にも幅広く含まれています。

パントテン酸は、糖質、脂質、たんぱく質代謝
エネルギー産生に不可欠な酵素を補助します。

また、コレステロール、ホルモン、免疫抗体などの合成にも関係しています。

また、ビタミンCのはたらきを助けるので、
コラーゲンの産生にも関わって肌のハリを保つのに役立つのです。


③控えたい食べ物

一方、脂身の多い肉など高脂肪な食べ物は
お肌の老化の原因になるので控えめにしたり、
糖質の多い食べ物、GI値グリセミックインデックス)の高い食べ物は、
お肌の糖化の原因になるので控えめにしましょう。


2.ハリキープは適度な運動も!

適度な運動習慣もお肌のハリをキープするために必要です。
なぜなら、運動で代謝がアップし、血行が促進したり、免疫力が上がるからです。

また、適度な運動は成長ホルモンの分泌が増えます。
つまり、適度な運動でお肌の新陳代謝が上がり、
ターンオーバーも正常化するのです。

さらに、運動を習慣化することでお肌の酸化を予防する力も身に付きます。

運動は、軽い体操、ストレッチやウォーキングでも十分なので、
自分ができる範囲のことを習慣化しましょう。


3.良質な睡眠

良質な睡眠を取ることは、
お肌のハリの維持や回復に、良い効果があります。

しっかりと眠れると体調もよく、ハリだけではなくツヤもある肌になるので、
化粧ノリもよくなります。

なぜなら、夜、しっかり眠っていれば、
成長ホルモンが脳から分泌されて新陳代謝が活発化するからです。

成長ホルモンは、睡眠後の2~3時間で最も活発になると言われているので、
眠る間から熟睡できる環境を整えることが大切なのです。

4.温活でハリの低下を予防

顔冷えをはじめ、身体の冷えは代謝の低下や血行不良の原因です。
だから、冷えを予防し、改善することが、肌のハリの低下を防ぐ対策の1つです。

最近では、体温を維持する活動を、温活と呼んでいます。


また、最近、話題の免疫アップのたんぱく質の1つに
ヒートショックプロテインHSP)=熱ショックタンパク質」があります。

その中でお肌と関係が深いHSP47は、コラーゲンと同じく、
真皮の線維芽細胞でつくられます。

そして、「コラーゲン」とだけ結びついて、
コラーゲンが美しい3重のらせん構造になるのを助けるのです。
お肌のハリのアップには、HSP47を増やすこともよい方法です。

お肌のハリを取り戻す方法は?

お肌のハリや弾力を維持するために、日常生活の見直しや、
エイジングケアは効果的!
でも、一度失ってしまったハリを取り戻すには、
そんなに大きな効果は期待できないのです・・・。

そのため、なくなってしまったハリを取り戻すには、
他の方法も組み合わせることが必要です。

1.表情筋のトレーニング

表情筋トレーニングは、筋肉を鍛え、
衰えたハリを復活させることが目的です。


表情筋を鍛えると、血行もよくなり、お肌のすみずみへと、
栄養や酸素が行きわたりやすくなります。

だから、表情筋のトレーニングは、
筋力アップによるハリ改善以外にも効果があるのです。


表情筋トレーニングで、最も簡単なのは、
「あ・い・う・え・お」体操と呼ばれるエクササイズ。


特に口元の筋肉が鍛えられるので、フェイスラインの、
引き締めにも効果的です。


あいうえお体操のやり方

①「あ」…口を大きく丸く開ける
②「い」…口を横に広げて頬を上に上げるように
③「う」…口を尖がらせて前に出す
④「え」…口角を上に上げると下唇の左右に力を入れる
⑤「お」…上唇と鼻の下の筋肉を意識する

これを1日、10セット程度行うだけなので、手軽で簡単!

 

2.美顔器を使う

美顔器には、たくさん種類が各メーカーから出ていますが、
肌のハリを取り戻すのを、助けてくれるものもあります。

正しく選び、使って、お肌のハリのアップに役立てましょう。
ただし、劇的に改善するとまでは期待できません。

①超音波美顔器

ラジオ波やサブマイクロ波、高周波で美肌効果をもたらす美顔器。
超音波治療で、肌に刺激を与えることで、フェイスマッサージに近い効果が得られます。

つまり、血流を促進させて、肌のハリや弾力をアップさせるのをサポートします。
また、振動数が高いものはお肌の細胞を活性化し、コラーゲンの産生アップも期待できます。
振動数によって効果が違うので、チェックした上で自分の目的に合ったものを選びましょう。


②イオン導入美顔器

基礎化粧品の美容成分をイオンが反発しあう力でお肌の奥へ浸透させる美顔器。

マイナスイオンを帯びた分子量の小さな成分であるビタミンC誘導体、
アミノ酸誘導体、プラセンタなどがイオン導入美顔器に向いています。
コラーゲンや高分子ヒアルロン酸など、分子が大きい成分は向いていません。


③ローラー美顔器

ローラー美顔器は、ローラーを顔の上で転がして、表情筋をマッサージしたり、
お肌に刺激を与えることでお肌のハリをアップさせることが期待できる美顔器。

また、表情筋を鍛えることでリフトアップ効果も期待できます。
力を入れ過ぎると皮膚を傷つけてしまうので、注意が必要です。
特に目元や口元は軽く押さえる程度にしましょう。


④LED美顔器

LED美顔器は、その名の通りLED=発光ダイオードをあてることで、
さまざまな美肌効果を期待できる美顔器。

LEDの色によって波長が違うので、効果が異なります。
赤色LEDは、肌の血行促進、コラーゲン合成の促進で肌のハリの復活を期待するものです。
青色LEDは、ニキビや黒ずみ毛穴の改善、皮脂分泌の抑制を期待するものです。
オレンジLEDは、美白効果やシミ、くすみ改善を期待するものです。


⑤EMS美顔器

EMSとは、Electrical Muscle Stimulationの略で、筋肉を刺激して収縮させる低周波のこと。

だから、EMS美顔器は、EMSを搭載して、表情筋にシグナルを送って
肌のハリを取り戻すことが期待できます。

また、血液やリンパの流れがよくなることで老廃物が排出され、
ターンオーバーが改善します。

 

このように美顔器といってもそのメカニズムが違うので、
それぞれの特徴を理解して肌のハリのアップにうまく活用しましょう。

 


3.エステでハリを取り戻す!?

エステティックサロンは、医療ではないので、
たるみによる肌のハリを、元通りにさせるのは難しいかもしれませんが、
施術の知識のあるエステティシャンンが一種類だけでなく
複数の方法を組み合わせるフェイシャルコースを提案してくれます。

施術としては、フェイスマッサージ、美顔器の利用が中心で、
エイジングケア化粧品の相談にも乗ってくれます。

セルフケアで不十分な場合は、エステティックサロンで施術を受けるのも、
ハリを取り戻す選択肢の1つです。

よいエステティックサロンを選ぶには、
受ける側もある程度のエイジングケアの知識を持つことが大切です。


4.美容医療でハリを取り戻す

肌のハリを取り戻す美容医療は、
顔のたるみを改善する美容医療と同じ。

そんな美容医療は、最近では医薬品を使うもの、
メスを使わない施術などさまざまな選択肢が増えています。


①水光注射による弾力改善

水光注射とは、Vital injector(バイタル・インジェクター)という
水光注射専用のマシンで、ヒアルロン酸をはじめ、ビタミン、アミノ酸などを、
肌の表面の層に注入することで、お肌のハリを取り戻す方法です。

水光注射は、短時間ですみ、痛みや内出血の心配も少ない比較的安全な施術で、
ダウンタイムも少ないことが特徴です。

おでこのシワ、目元の小じわ、首のしわなど、
肌のハリ・弾力の低下による肌悩みを改善します。


②プラセンタ注入

プラセンタエキスを注射器で直接肌に注入して、真皮まで届けます。

プラセンタの作用で、真皮の線維芽細胞が活性化しコラーゲンやエラスチン、
ヒアルロン酸を増やし、肌のハリ・弾力を取り戻す方法です。


③フォトフェイシャル

フォトフェイシャルは、「IPL(Intense Pulse Light)」という光を
顔全体に照射する治療法。
線維芽細胞を活性化させ、肌のハリや弾力を取り戻す方法です。


美容医療には、他にもケミカルピーリング、レーザー治療、
メスを使う施術などさまざまな選択肢があります。

肌のハリを取り戻す手段としては、最も効果が目に見える方法ですが、
一定のリスクがあり、また経済的にも他の手段より負担が大きくなります。

美容医療を考えるなら、しっかりと医師に相談し、
メリットやデメリットなどを理解した上で受けるようにしましょう。